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2023.08.11

住まいづくりコラム

本当にエコな古民家の暮らし

福井県には、築100年を超える古民家が数多く残されています。

この時期、古民家に一歩足を踏み入れてみると、家の中がひんやりと涼しいことに気付くはずです。

なぜ、現代の家と違って、古民家は夏でも涼しいのでしょうか?

ひとつに、自然素材が使われていること。

汗は蒸発するときに体から熱を奪って体温を下げますが、湿度が多いと汗が蒸発しにくくなるため、熱が体にこもってしまいます。だから、湿度が高いほど夏の暑さを感じやすくなります。

その点、自然素材の使われた家では、夏になると家の中の湿度を勝手に下げてくれるため(『多湿な福井の夏を、快適湿度で暮らすために』参照)、体感温度も下がります。

 

もうひとつ、軒の存在も夏涼しい家をつくるうえで欠かすことができません。

古民家といえば、縁側の外にぐっと張り出した屋根の構造を思い浮かべる人も多いでしょう。

あの張り出した屋根、深い軒が、直上から刺さるように照り付ける夏の直射日光を遮って、室内の温度が上昇するのを防いでくれます。

 

そして、風通し。

古民家は、部屋と部屋が壁ではなく障子やふすまで仕切られています。夏になると、この間仕切りをすべて取り外し、風通しをよくします。

風があるだけで体感温度は下がりますから、きちんと風通しを考えて設計された家であれば、夏でもエアコンなしで過ごせるかも?

今、住宅業界は『省エネ』一色。

気密性と断熱性を高め、窓を開けずに機械だけで空調をコントロールすることを推奨する住宅会社も少なくありません。

 

しかし、本当にそれでよいのでしょうか?

本当にエコな暮らしを考えるのであれば、機械ばかりに頼るのではなく、

「窓を開けて風を入れる」

「窓を開けて空気を入れ替える」

という暮らしを、今改めて見直してみるべきではないでしょうか。

2023.08.11

住まいづくりコラム

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