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2023.07.18
住まいづくりコラム
美観や耐久性をも左右する、軒と庇の存在感
こんにちは、永森建設です。
雨の日でも窓を開けて風を入れることで、洗濯物を効率よく乾かすことができる。
窓を開けて自然の雨音を聞くことで、日々の喧騒を忘れ、心を落ち着かせることができる。
雨の日に窓を開けてみることで、いつもの日常にそんな付加価値が生まれるということを、前回、前々回の記事(ランドリールームで快適な洗濯ライフを!)でお伝えしました。
しかし、軒や庇のないシンプルな箱型の家、いわゆる軒ゼロ住宅では、窓を開けるとどうしても雨が吹き込んでしまいますよね。
つまり、軒や庇は外観デザインを決めるひとつの要素であると同時に、 “雨よけ”という大切な役割も担っているのです。
そして、その軒や庇の“雨よけ”としての機能には、ただ「雨の日でも窓を開けられる」というだけでなく、「外壁を汚れから守る」という意味合いも含まれます。
窓や換気口の下に、黒い筋のような汚れがついた家を見たことありませんか?
あの汚れは『雨だれ』といって、屋根や窓枠、換気口などの出っ張り部分にたまった埃や砂などが雨で流され、筋となって外壁に残ったもの。
雨だれは建物の美観を損なうだけでなく、汚れに含まれる油分や化学物質によって外壁の劣化を早めます。
その点、軒や庇があれば、雨だれは外壁を直接伝うことがありません。
軒や庇は雨の吹き込みをさえぎるだけでなく、建物の美観や耐久性の向上にも一役買っているというわけですね。
これから8月に向かい、ますます日差しが強くなりますが、軒や庇には夏の日差しをさえぎり、室内の温度上昇を防ぐという大切な役割も備えています。
先人の知恵とはよくいったもので、古くから伝わるデザインや工法には、それだけ意味があるのです。
近年、軒ゼロ住宅のような、インスタ映えするデザインの家が人気を集めています。
その一方で、軒や庇の重要性を見直す声も聞かれるようになりました。
家は何度も建て直しできるようなものではありません。
一過性のトレンドに流されるのではなく、メンテナンス性や耐久性も含め、長い目でみて“本当に必要なもの”を選択していただけるとうれしいです。
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