Catalog Menu Close

Blog

ブログ

2024.08.02

住まいづくりコラム

夏を涼しく過ごすパッシブクーリング

こんにちは、永森建設です。

今、住まいづくりにおける“パッシブクーリング”が注目されています。
パッシブクーリングとは、自然の力を利用して室内を涼しく保つ手法のこと。エアコンなどの機械的な冷房だけに頼らず、建物自体の設計工夫によって快適性を高めることを目的としています。

具体的には、

(1)遮熱:直射日光の侵入を防ぐ
(2)断熱:熱の侵入を防ぐ
(3)換気:自然の風を取り込む
(4)冷却:散水によって建物周辺を物理的に冷やし、気化熱を利用して涼をとる

これらの手法を組み合わせることで、室温上昇を効果的に抑制します。

なかでも代表的なのが、軒や庇の活用。これは(1)の遮熱に該当し、軒を深くすることで夏の強い日差しを遮り、室内の温度上昇を防ぎます。
加えて、風の流れを考えて建物の向きや窓の配置を検討することで、自然の涼風を室内に取り入れることができます。これが、(3)の換気に当たります。
(4)の冷却は、夏の風物詩である打ち水、屋根や外壁への散水など。

都市部では日射遮蔽効果や蒸散作用があるとして屋上緑化の普及が進んでいますが、コストもかかりますし、十分な敷地面積のある福井県ではあまり現実的とはいえません。
その点でいえば、軒や庇の活用は福井でも取り入れやすい手法であるといえます。

軒の効果は何百年という長期にわたり、日本の伝統的な家屋で証明されてきました。大きな軒と縁側を設けた日本の家屋には、夏の暑さを和らげる知恵と工夫が詰まっています。
現代の住宅にもこの伝統を活かしつつ、(2)の断熱など新しい技術を取り入れることでより高い効果を期待する。それが、パッシブクーリングです。

自然の力を味方につけた住まいづくりは、ただ快適性を高めるだけでなく、冷房の稼働時間が少なくなるため光熱費の削減にもつながります。

断熱性が高く、風通しのよい家。
軒と庇で、しっかりと守られた家。
そんなふうに自然と調和した住まいなら、24時間エアコン生活とはちょっと違う、新しい暮らしの可能性が見えてくるかもしれませんね。

2024.08.02

住まいづくりコラム

-Share