住まいの勉強会

スマートハウス化において大切なこと
担当講師
YKKAP株式会社 事業本部 窓・住宅建材事業部 白瀬 哲夫氏
  • 住宅の断熱化促進へ

     地球温暖化防止のため、1997年(平成9)京都で開催された気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)において採択された京都議定書。先進国は、全体として二酸化炭素等6種類の温室効果ガスの排出量を、2008~2012年の5年間に1990年水準に比べて5.2%削減することを、そして日本レベルでは、6%削減することを定めました。これにより、住宅部門では、約50%の削減率が必要とされています。しかしながら、現在はこの削減目標に近づくどころか、温室効果ガスの排出量が増加しているのが現状です。
     また、消費税を2014年4月1日から8%、2015年10月1日からは10%に引き上げることが決定したことを受け、以下の減税措置が検討されています。
     ①低所得者対策としての軽減税率
     ②車・住宅取得に対しては取得税廃止またはローン減税
     ③一定所得未満者には現金給付税額を控除
    これらの政策により、今後の住宅業界については、住宅の断熱化促進につながる可能性があると考えられます。

     最近では、省エネや断熱性能だけでなく、住宅におけるエネルギー消費量とCO2排出量にも着目されるようになってきました。現にドイツでは、2008年より「エネルギーパス制度」という、年間のエネルギー消費量とCO2排出量を表示することが義務付けられています。これは、エネルギー消費に対する意識を高めることを目的としており、環境保護やエネルギー節約の観点からも注目が集まっています。
     これを踏まえ、これからの住宅は、住宅1棟分のエネルギーの収支がゼロになる動きが増え、ワンランク上の断熱性能、自然エネルギーの活用、そしてスマートハウス化がますます求められると考えられます。

    ■ワンランク上の断熱性能
     省エネレベルを向上させるため、窓や外壁の断熱性や気密性が重要視されるようになってきました。気密性能が3倍になると、断熱性能は2倍になるというデータもあるため、窓や外壁の気密性を向上させることが、住宅におけるエネルギー消費量を抑えることにつながると考えられます。

    ■自然エネルギーの活用
     原子力問題も総じて、これからは自然の力を利用した発電が注目されていくでしょう。例えば、太陽光発電をはじめ、地熱を利用した地熱ヒートポンプ冷暖房、風力を利用した家庭用風力発電、マイクロ水力発電、さらに家庭から出る生ゴミ、屎尿などを使ったバイオガス発電など。家庭でエネルギーをつくり出せる新たな電気事業の誕生も促進されると予想されます。

    ■スマートハウス化
     現在、「HEMS(Home Energy Management System)」の導入により、住宅の電力利用の可視化が実現し、それによって電気量消費を抑え、省エネを図る動きが出てきています。エネルギーをつくり蓄え、制御する「スマートハウス」が、今後ますます増えてくるでしょう。


  • 設備投資よりも断熱性の向上を

     スマートハウス導入において最も重要なのが、住宅の断熱性能です。エネルギー消費量を減らすためといって、効率の良い機器を導入したとしても、器である住宅の断熱性能や気密性能が低ければ、外気と室内の温度はほぼ同じになってしまいます。断熱性能を向上させるためには、夏の屋外の熱気が室内に伝わるのを防ぎ、冬の室内の温かさが屋外に逃げるのを防ぐ必要があります。そのために、遮熱性・断熱性の高い窓を採用することが、断熱性向上に有効となります。
     しかし、「スマートハウス化」は始まったばかりです。そのため、スマートハウス化のための設備も整っているとは言えない現状です。ですので、今後普及してくるであろう家電品設備機器の価格低下を待ったほうが得策と言えるでしょう。今は、スマートハウス化のための設備投資よりも、まずは住宅の断熱性能向上に力を注ぐべきなのです。


  

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